小野内科医院
2022年7月竣工
クリニック 増築、リノベーション
建築地:倉敷市玉島八島
木造平屋建て(増築)+鉄筋コンクリート3階建ての一部(リノベーション)
増築延べ面積 196.53㎡ 既存延床面積666.21㎡(リノベーション260.81㎡)
クリニック 増築、リノベーション
建築地:倉敷市玉島八島
木造平屋建て(増築)+鉄筋コンクリート3階建ての一部(リノベーション)
増築延べ面積 196.53㎡ 既存延床面積666.21㎡(リノベーション260.81㎡)
小野内科医院は昭和62年に建てられた既存のクリニックに、新たにリハビリテーション部門を設けることから、建替えも含めて増設が検討された。
既存建物調査を実施し、まだ十分利用可能と判断し、コスト面も考慮し木造での増築とした。既存と増築の間に生まれる空間を、医師、看護師、患者、地域住民のコミュニケーションのスペースとして機能させる提案とした。また、既存棟のアイコニックな屋根の形を継承し、不規則に並ぶ屋根との調和を図り、既存棟と増築棟がとなる外観とした。劣化していた既存の屋根瓦はガルバニウム鋼板で葺き替えをし、「地域のコミュニティの中心として医院」を目指したいというクライアントの思いを受けて、幅の広い全面道路から屋根が良く見えるように朱色とした。
増築部分に移設した診療部門は、元々の当院の朗らかでオープンな雰囲気を継承できるように、南北の妻面の三角形のガラスからの光が全体に行き渡る、明るく居心地が良い空間となるように設計した。また、看護師や医師の行動を朝の出勤時から観察し、働き手の使いやすさにも配慮した。
既存建物の調査や既存建物の建築基準法の整理、申請などに時間を費やしたが、結果的に、既存を残したからこそ生まれるゆとりのある空間が、クリニックの将来の展開を可能にさせたといえるだろう。
(photo by 後藤健治)