尾道空き家再生プロジェクト
尾道は古くから繁栄した港町ですが、時代の流れによって駅前や港湾は開発され、古い歴史の面影は失われつつあります。車の入らない斜面地や路地裏は時代にとりのこされたように古い家並みが残っていますが、不便さゆえに空き家が増え続け、少子高齢化と中心市街地の空洞化の象徴となりつつありました。
尾道空き家再生プロジェクトは、空き家の再生を通して古い町並みの保全と次世代コミュニティの確立を目指し、2007年に代表豊田雅子が立ち上げた市民団体で、2008年にNPO法人化しました。ココロエ代表の片岡八重子は2008年から合流し、以降NPOの理事として、スタッフ荒川は学生時代から尾道に通い、共に活動してきました。
特に、2009年から尾道市との協同事業でスタートした「尾道市空き家バンク」の立ち上げや、空き家再生サポートメニューの開発、再生が難しい大型空き家を対象にした「脱空き家ケーススタディワークショップ」の企画などは中心的に行ってきました。
現在、尾道空き家再生プロジェクトは空き家再生の先進事例として、全国各地から視察や講演依頼が毎年多数声がかかる団体に成⾧しました。自ら再生した物件も20件を超え、再生した空き家を使ったゲストハウスやカフェの運営、大家の変わりに改修して貸し出すサブリース事業など行っています。
ココロエは、「北村洋品店」の改修アドバイス、「ツタの家」の再生監修や、ゲストハウス「あなごのねどこ」「見晴らし亭」などの改修アドバイスなども行ってきました。また商店街や山手で、空き家を活用して住まいや仕事の場にしたい方からの依頼を受け多くのリノベーションプロジェクトに取り組んできました。
尾道の空き家の再生を通して、空き家の流通の問題、新築ベースで作られた建築基準法ができる前に建った建物(不適合建築物)の活用の難しさ、伝統的工法を用いて建てられた建物の再生の課題など、多くの社会的な課題に直面してきました。完全ではないものの、実践で答えを見つけ、課題についてもあらゆる場面で訴えてきました。まだまだ、課題は多いものの、法律や社会がストックを活用するという方向に流れていることを実感しています。
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