寄井の住宅【神山民家改修プロジェクト】
2018年3月竣工
リノベーション 店舗・住宅
建築地:徳島県名西郡神山町
延床面積:68.13㎡(20.60坪)
構造:木造2階建
リノベーション 店舗・住宅
建築地:徳島県名西郡神山町
延床面積:68.13㎡(20.60坪)
構造:木造2階建
このプロジェクトは神山つなぐ公社と取り組む神山民家改修プロジェクトの2物件目にあたる。役場にも近く、サテライトオフィスや移住者が店を構えるエリアである。神山町内に唯一残る芝居小屋「寄井座」や、軒をそろえた長屋が隣接しており、景観として残したい建物であったが、長期間の空き家状態から2階まで蟻害を受けおり、構造補強に費用がかかることが予想されていた。また、その立地の良さから、本プロジェクトが目的とする移住者のための住みはじめ住宅という機能だけでなく、店舗も併設することとなった。 また、湿気の多い中山間地域の暖房器具としてペチカを実験的に体験できる場とすることになった。
限られた予算の中で保存活用するために、2階の梁や床など酷く蟻害を受けたところを吹き抜けとした。耐震要素としては前面間口に十字型の鉄骨を既存柱と梁に緊結して補強している。その他随所に耐震壁を新設し、外周には断熱を施し、大壁でしあげている。 また腐食している土台や梁などは差し替えも行っている。 奥に増築されていた水廻りは撤去し、店舗は奥にも動線があるⅬ型平面で、住宅は奥側の入口からアクセスし1階にダイニングと水廻り、2階に1部屋という構成になっている。店舗で炊いたペチカの温かい空気が住宅部分にいきわたる様にガラリを設けている。
1階店舗には現在珈琲焙煎所が設けられている。工事中にテナントが決まったため、内装も弊社でデザインしている。神山の青石を混ぜた人研ぎのカウンターとなっている。
(photo by 生津勝隆)